地質分析

ボーリング調査などの地質調査により、どこにどのような地層(土や岩石)があるかがわかります。地層の中には、火山灰や花粉などが含まれることもあり、これらをくわしく調べると、地層のできた年代やその時の環境など、よりくわしい情報を知ることができます。

1. 火山灰を調べる

火山の噴火によってふき飛ばされたもののうち、とても小さな粉のようになったものを火山灰といいます。大昔には、今では想像がつかないぐらいの巨大な火山の噴火があって、火山からかなり遠くはなれたところにも火山灰が降り積もりました。下の図のように、約9万年前に九州の阿蘇カルデラからふき飛ばされた阿蘇4火山灰は、日本全国に降り積もりました。

【日本全国に降り積もった阿蘇4火山灰】

下の表のように、巨大噴火によって日本全国に降り積もった火山灰について、噴出年代やくわしい特徴などがわかっています。

地層に含まれる火山灰の特徴を調べて、下の表のような噴出年代がわかっている火山灰のどれと同じ特徴を持つかくらべることにより、地層のできた年代がわかります。

【関西に降り積もった巨大噴火による火山灰】

火山灰名 噴火場所 噴出年代
鬼界アカホヤ 鬼界カルデラ 約7,300年前
鬱陵隠岐 韓国鬱陵島 約1万年前
姶良Tn 姶良カルデラ 約2万9千年前
大山倉吉 大山 約5万5千年前
阿蘇4 阿蘇カルデラ 約9万年前
鬼界葛原 鬼界カルデラ 約9万5千年前
阿多 阿多カルデラ 約10万5千年前
加久藤 加久藤カルデラ 約33万年前
サクラ 小林カルデラ 約52万年前
誓願寺栂 鶴見・由布火山群 約61万年前
アズキ 猪牟田カルデラ 約88万年前
ピンク 猪牟田カルデラ 約102万年前
恵比寿峠福田 飛騨山脈 約170万年前

火山灰の調べ方

火山から噴出したもののうち、直径2mm以下の大きさものを火山灰といいます。火山灰は、火山ガラス(*)、鉱物(マグマの中に元からあった結晶)、古い岩石のかけらなどからできています。

顕微鏡を使って、どのような鉱物が含まれているか、火山ガラスはどのような形をしているかなど調べます。また、特殊な器械を使って、どのような成分でできているかなども調べます。

そして、噴出年代がわかっている火山灰のどれと特徴が同じかくらべます。

*火山ガラスとは?
マグマが上昇してくると、マグマの中にとけていた水が蒸発してガスとなり、炭酸水のように発砲します。これにより残っていた液体のマグマはくだけますが、地上に噴出すると急冷されて、ガラス(火山ガラス)となります。

2. 放射性炭素年代測定

すべてのもの(物質)は、原子というものが集まってできています。たとえば、私たちが息をはいた時に出る二酸化炭素(CO2)は、1つの炭素原子(C)と2つの酸素原子(O)で作られています。

炭素には、炭素12、炭素13、炭素14と3種類があります。このうち、空気中に少ししか含まれない炭素14は不安定な状態にあって、余分なエネルギーを外に出して安定したちっ素(N)に変わります。この時に出るエネルギーを放射線と呼び、放射線を出す物質のことを、放射性物質と呼びます。

炭素14は大昔から空気中にほぼ同じ割合で含まれていて、動物や植物は呼吸したり食べたりすることで、空気中の炭素14を体の中に取りこんでいきます。そして、動物や植物が死ぬと、体の中に炭素14を取りこめなくなり、体の中に残った炭素14は放射線を出して少しずつへっていき、5,730年たつと半分になってしまいます。

つまり、体の中に残っている炭素14の量を調べて、自然にある炭素14の量とくらべると、動物や植物がおよそ何年前に死んだのかがわかります。

植物や動物は死ぬと、すぐに土や泥の中に埋まってしまいます。つまり、植物や動物の死亡時期は、地層(土や泥)のできた時期とほぼ同じということになります。

炭素14と同じように、放射線を出して安定した原子に変わろうとする性質を利用した放射性年代測定法として、下の表のようなものがあります。

【放射性年代測定法のいろいろ】

年代測定法 元の原子 できた原子 半分になる期間 測定できる年代範囲 測定できるもの
カリウム-アルゴン法 カリウム40
40K)
アルゴン40
40Ar)
12.5億年 数十億年~1万年前程度 溶岩(火山岩)、火砕流堆積物など
ルビジウム-ストロンチウム法 ルビジウム87
87Rb)
ストロンチウム87
87Sr)
488億年 数千万年前より前 火成岩、変成岩、いん石など
ウラン-トリウム-鉛法 ウラン238(238U) 鉛206
206Pb)
45億年 数百万年前より前 古い地球の岩石(火成岩、変成岩、堆積岩)、いん石など
ウラン235(235U) 鉛207
207Pb)
7億年
トリウム232(232Th) 鉛208
208Pb)
140億年
放射性炭素年代法 炭素14
14C)
窒素14
14N)
5,730年 約5万年前~現在 生物の死体(木片,貝殻,骨),泥炭

3. 微化石分析

地層(土や岩石)の中には、目では見られないくらいにとても小さい植物や動物の化石(微(び)化石(かせき))が含まれていることがあります。これらの微化石は、死んで土や泥の中に埋まってしまったものです。

特別な処理を行って、これらの微化石を地層から取り出し、顕微鏡(けんびきょう)で観察します。顕微鏡観察によりわかったそれぞれの微化石の種類から、下の表のように、地層についてのくわしい情報を知ることができます。