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関西圏地盤情報ライブラリーについて

関西圏地盤情報ライブラリーは,KG-NET・関西圏地盤情報研究会(KG-R)の研究活動をはじめとして,関西地域において抽出・情報化された各種の研究地盤情報を広く公開するためのプラットホームを目指しています。

現在,関西圏地盤情報ライブラリーでは,関西圏地盤情報研究会等の研究地盤情報(研究成果)である,250mメッシュ地盤モデル,大阪平野で実施された基準ボーリング,各地域の地層断面,各地域の土質特性などの研究地盤情報を閲覧することができます。

研究地盤情報

地盤モデルとは?

液状化や地震動予測,粘土層の広域的な沈下予測などの地盤解析を行うためには,地盤のモデルが必要とされます。また,ボーリング1本毎のそのままの公開では,一般には判断が難しく,地盤の様相がわからないことが多いと思われます。

大阪平野を250mメッシュに分割をして,そのメッシュに含まれる複数のボーリングから250mメッシュの平均的な地盤モデルを作成しました。

基準ボーリングとは?

一般に行われているボーリングは,構造物などを設計するために必要な情報(地盤の強度特性など)を得るために行われます。この地盤の情報は土質試験などから得られますが,その試験がおこなわれるボーリング1本あたりの個数は設計が可能な数量で,陸域では深度方向にそれほど多く行われていません。

そこで,深度方向に詳細な土質試験を行い,さらに地盤の堆積環境を把握するために地質学分析も実施し,地盤 の堆積年代や性質など地域の地盤特性の把握するためのボーリングを基準ボーリングと呼びます。

地域の地層断面とは?

関西圏地盤研究会が地域の地盤研究の成果として公表したボーリングデータによる地域の地層断面です。この断面では,沖積層,第1洪積砂礫層といった地層区分され,地層の連続性が概略的に判断できるようにしています。

地域の土質特性とは?

関西圏地盤情報データベースより,海成粘土層(Ma13,Ma12)の土質特性を地区ごとにゾーニングを行い,各地区の土質試験データを吟味して深度分布図等に集約しました。Ma13層が70地区,Ma12層が48地区に地域を区分しています。これにより,各地区の代表的な土質特性の参照となり,今後実施される土質試験の指標となります。

地盤モデルの作成方法

250mメッシュ地盤モデルは次のようにして作成しています。 地盤モデルとして,土質,N値,密度,砂層の細粒分含有率がモデル化されています。

  1. ①.関西圏地盤情報データベースに登録されたボーリングに対して1本毎に沖積層や海成粘土層(Ma)等の地層同定を行います。
  2. ②.各250mメッシュ内に含まれるボーリングを選択します
  3. ③.1m毎の地盤モデルを作成する場合,各ボーリングを地表から1m毎の土質毎(主として礫,砂,シルト,粘土)を抽出し,その土質毎に層厚の和を求めます。
  4. ④.その1m間で最も厚くなく土質をその1mの代表土質とします。
  5. ⑤.地盤モデルのN値は,④の代表土質で実施されたN値の平均値としてもとめます。
  6. ⑥.③~⑤までの作業を沖積層の下端まで繰り返し行います。
  7. ⑦.あらかじめ土質毎の密度を定めておき,④の代表土質となった各土質名で密度の平均値を求めます。
  8. ⑧.あらかじめ求めておいた地区ごとの上部砂層の細粒分含有率とN値の関係を求めておき,砂層のN値に対する細粒含有率を推定します。
  9. ⑨.沖積粘土層の土質特性は,メッシュ内で土質試験が登録されているボーリングが少ないので,別の方法でモデル化を行っています。
  10. ⑩.地域の土質特性で整理した沖積粘土の土質特性情報を基準として,土質試験データが含まれていないメッシュの沖積粘土の土質特性を逆距離荷重法で推定しました。
  11. ⑪.逆距離荷重法で推定した沖積粘土の土質特性は,基準ボーリングで実施した土質試験結果と比較し,両者がほぼ一致していることを確認しています。